手習帖


こちらでは漆器についてご紹介します。
漆をここでおさらいしてみましょう。

漆とは「漆(うるし)」の木の樹液に含まれるウルシオールを主原料とした天然塗料です。
深みのある色合いのほか、耐久性、抗菌性、接着性などにも優れ、日本では縄文時代前期から使用されたといわれています。
漆の名前は「潤汁(うるしる)」「塗汁(ぬるしる)」、「麗し(うるわし)」などを語源とすると言われ、また英語では漆を「japanese lacquer」、漆器を「japan ware」と呼び日本の代表的な工芸品であることが伺えます。
この漆を木や紙など天然素材に塗ったものが漆器になります。

ここでは様々な素地や塗についてご紹介します。

素地(きじ)

漆を塗る土台となるもの。


木材の成型法としては各種あり、以下のように分類されます。
 1.挽物(ひきもの) 2.指物(さしもの)(板物) 3.曲物 4.刳物(くりもの)

朱塗深椀形 向付 京都夷川 宮崎製 千歳盆(角盆)
1.挽物(ひきもの)
木材をろくろで削り出したもの
2.指物(さしもの)
板を組み合わせて作成したもの
千歳盆 堅地本漆塗 銘々皿 鳥蒔絵入
3.曲物(まげもの)
薄くした木材を曲げて形作るもの
4.刳物(くりもの)
のみで掘り出すもの
籃胎(らんたい)
竹などを編んだもの。
漆皮(しっぴ)
完全にはなめされていない動物の皮を、木型にあて成型して漆を塗るもの。
どのような形も、継ぎ目なしで作ることができる。
鎧などに使われた。
乾漆(かんしつ)
型に布をあて、漆で貼り重ねたもの。
乾漆朱呂色 八稜食籠 佐々木省司(作)
乾漆
紙胎(したい)/一閑張(いっかんばり)
木型に紙を漆ではり重ねたもの。
陶胎(とうたい)
陶器に漆を塗ったもの。
金胎(きんたい)
金属に漆を塗ったもの。
木地蒔絵
木目を活かして木地に直接蒔絵を施すこと。
   

塗(ぬり)/きゅうしつ

花塗(はなぬり)
油分を含んだ漆を塗り、研ぎ出さずに光沢を発する手法。塗立(ぬりたて)とも。
漆特有の光沢が見られる
蝋色塗(ろいろぬり)
油分を含まない漆を塗り、木炭や砥粉(とのこ)などで研ぎ出して光沢を出したもの。
柿合塗(かきあわせぬり)
渋柿を下地として施し、その上に漆を塗るもの。
擦漆(すりうるし)
綿などに漆をつけて木地に薄く擦りつける手法。
赤漆(せきしつ)
蘇芳(すおう:インド・マレー原産のマメ科の染料植物)で木地を着色し漆を塗ったもの。奈良時代から平安初期に行われた。
春慶塗(しゅんけいぬり)
木地を黄や赤などに染めて透漆を塗ったもの。木目の美しさを楽しむことができる。
佐野長寛写 菊箔絵縁高
朱漆塗
木地蝋塗(きじろぬり)
木地を染めた後、上塗して研ぎ出したもの。
変塗(かわりぬり)
材料や技術によって変化に富んだ塗り方をしたもの。
刀剣の鞘の装飾として発達したため、
鞘塗(さやぬり)とも言われる。
朱漆塗(しゅしつぬり)
漆に朱を混ぜて上塗りするもの。
黒漆塗(こくしつぬり)
漆に掃墨などをまぜて上塗りしたもの。
茶の湯では真塗とも呼ばれる。
真塗乾漆棗 嶋香弥兵衛(造)
黒漆塗
青漆(せいしつ)
漆に緑の顔料を混ぜて塗ったもの。
潤塗(うるみぬり)
黒漆に朱か弁柄(べんがら:赤色顔料)
を混ぜた褐色の塗。