インク壺 コラム第2回

印籠

確か中学生の頃です。どうしても印籠が欲しくなり、お小遣いを貯めわくわくしながら求めに行きました。

その前年に象牙の根付を入手していたことが、どうしても「印籠がほしい!」と強く思うようになったみたいです。水戸黄門の影響も多少あり。

印籠無事に印籠を購入し、わくわく、どきどき、しながら中はどういうふうになっていて、何が入っているのだろうと(当然何も入ってはおりません)開けたたものです。

その印籠は豪華な蒔絵とは程遠く、実に質素な蒔絵でした(当然中学生のお小遣いで買える範囲です) 。それでも私には宝物でした。 

印籠と言いますと、色々な本には「江戸の初期には印鑑を入れて持ち歩くもので、その後薬を入れて持ち歩くようになった。」と書いてありますが、3~4千点今までに見てきましたが、印鑑も印鑑が入っていた形跡も確認することはできませんでした。ともあれ、江戸の中期頃からは武士階級のおしゃれアイテムとなりました。

中はこんな風になっています。

印籠

正式な物は5段になっておりますが、2段、3段、4段、6段等、色々あります。

材質は木、紙(一閑張や、こよりで編んで漆で固めたもの等)、まれに金属、陶磁器、象牙、竹等です。表面の装飾は蒔絵,堆朱、螺鈿、金細工、芝山等です。
扱い方は、どうしても中が見たい方は、印籠と根付の間に紐が通っている緒締めを上にいっぱいに上げ、印籠本体の紐が通っている穴の外側を両手で持ち、しずしず、そろそろと少しずつ上げていってください。
けっして正面と裏面をもってギシギシさせながら開けちゃいけません。すぐに痛んでしまいます。
上等な品ほど、中が良い梨地になっております。
桐箱にも「印籠蓋」という名前で残っております。

ちなみに、最初に求めた印籠ですが、独立したての頃に食料に変わってしまいました。

佐々木

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