イカール

ルイ・イカール(Louis Justin Laurnet Icart)、1888年9月12日、
銀行家ジャン・イカールと妻エリザベートの長男として、
南フランス、トゥールーズ市のトラヴェルジエール・ド・ラ・バランス街に生まれる。

生活のため、サンドウィッチマンなどをしていたが、ポストカードの工房に職を得て、
他の画家が描いた作品をコロタイプで印刷したものに手彩色を施しながら、
モチーフと銅版などの版画製作の技術を学ぶ。
1908年、「演劇批評(ラ・クリティク・テアトル)」の表紙をデザインした。

当時の華やかな女性文化を繊細なタッチで表現し、また第一次世界大戦を生き抜いた独自の戦争観で
エッチング作品を多く生みだした。
中でも、イカールの絵に出てくる女性は皆、妖艶な魅力をかもしだす。

1930年代に入ると、ゆったりと落ち着き、くつろいだ感じの成熟した女性を描くスタイルに変化します。
油彩画も青色や灰色などに色彩が変化し、「白いヴィジョン」と呼ばれています。

1950年62歳で没するまで、数々の作品を世に送り出し続けた。