ルネ・ラリック(René Lalique、 1860年4月6日 – 1945年5月5日)
19世紀~20世紀のフランスのガラス工芸家、宝飾(ジュエリー)デザイナー。
アール・ヌーヴォー、アール・デコの両時代にわたって活躍した作家。
1860年、フランス、シャンパーニュ地方マルヌ県アイ村に生まれ、パリで育った。
1876年、パリの装飾美術学校に入学し、宝飾工芸家で金属細工師のルイ・オーコックに師事。
1878年から1870年までイギリスに滞在し、サイデナム・カレッジで学んだ。
1885年、パリのヴァンドーム広場にアトリエを構える。
この頃のラリックは、おもに女性向けの高級アクセサリーをデザインしていた。
カルティエなどの著名な宝飾店にも作品を提供し、当時の高名な女優サラ・ベルナールも顧客であった。
1897年、レジオン・ド=ヌール勲章を受章。
1900年のパリ万国博覧会では宝飾作品が大きな注目を集め名声を得た。
1918年、アルザス地方のヴァンジャン=シュル=モデールに新たな工場の建設を始める。
1922年(1921年とも)年に完成した。これが、21世紀の今日まで続くラリック社の起源である。
日本との関係では、1932年に旧皇族朝香宮邸(現・東京都庭園美術館)のガラスの扉や
シャンデリアなどの製作を受注している。
ラリックのガラス工芸品は、動物、女性像、花などのモチーフを好んで用いたデザインが特色である。
素材としては乳白色で半透明のオパルセント・グラスを好んで用いた。
1920年代中頃からは色ガラスの作品も増えるが、色ガラスを使う場合も単色で用いることが多かった。