安藤重兵衛

安藤重兵衛(あんどう じゅうべい)
大正~昭和戦後の七宝作家で株式会社安藤七宝店初代社長。

【安藤七宝店】
1880年に煙管商村田屋重兵衛が大日本製造七宝会社の後を継ぎ、安藤七宝店として
名古屋にて創業したのが始まり。
以来、明治期には各国の万国博覧会にて受賞多数、また、皇室御用達として受注製作を賜るなど
七宝業界において飛躍的な躍進を続ける。
1925年に合名会社安藤七宝店に改組(このころ代表社員として安藤重兵衛が推挙される)。
その後、第二次世界大戦において名古屋の本店の建物、商品が焼失、戦後は再建をかけ
48年に安藤重兵衛を初代社長とした株式会社安藤七宝店を改組。
2000年に創業120周年を迎えた七宝工芸の老舗的存在で現在でも難い技術を有した工人を輩出している。

印名は「安藤氏謹製」「大日本安藤製」など

荒木東明

荒木東明(あらき とうめい、文化14年(1817)~明治3年(1870) 53才没)
幕末明治期の装剣金工家。米商と貸物屋を営む与平の長男として京都十二組大猪熊町に生まれる。
初名を秀信、のちに芳之進。号銘に一斎、今松亭、白玉堂などがあり晩年には基仲と号した。

13歳で後藤東乗に師事し、後年,後藤一乗の門下となる。
それぞれの師から東明、一斎の名を許された。

作品は鐔,縁頭,目貫などで、そのほとんどに東明あるいは一斎東明と刻んでいる。
代表的作品に「粟穂図揃金具」がある。
粟穂の彫刻は,東明一流の特技といえ,画工林蘭雅との交際によってその下絵ができたものという。
たわわに実った粟穂を特殊鏨で精巧かつ写実的に表している。粟穂図を得意とし、粟穂図に関しては東明の独壇場といわれる。