中島宏 (なかじま ひろし、1941年(昭和16)~(現在))
佐賀県武雄市出身。
10代の頃より陶業に従業する。
28歳の頃弓野古窯跡に半地下式の「弓野窯」を築き独立。
青磁一筋に作陶し77年の日本伝統工芸展奨励賞を皮切りに81年第一回西日本陶芸展総理大臣賞、
83年日本陶芸協会賞、96年MOA岡田茂吉大賞、藤原啓記念賞、佐賀新聞文化賞受賞など活躍する。
90年、佐賀県指定重要無形文化財の認定を受けている。
制作当初は中国の宋青磁の再現に取り組んでいたが朝鮮の古窯や中国龍泉窯を研究していくうちに
自然の生命力を表現できる青磁を目指して素地や焼締部分と釉薬部分を同居させた作品や
貫入の自由な表情表現をさせた作品など独自の「中島青磁」を確立。
また、鉄分を多く含んだ釉薬を用いて青磁と紅釉を合わせたピンクや紫の作品も制作。
近年作では焦茶色の器に橙や薄緑の色で青磁部分を表現する露胎釉彩を創作、
器形も陶彫、掻落しなどの技術を駆使して伝統的な形から抽象的な作域まで幅広く展開。
2007年、青磁で国指定重要無形文化財(人間国宝)に指定される。
陶印は、「宏」、へら彫・描印「宏」、押印「宏」など