荒木東明

荒木東明(あらき とうめい、文化14年(1817)~明治3年(1870) 53才没)
幕末明治期の装剣金工家。米商と貸物屋を営む与平の長男として京都十二組大猪熊町に生まれる。
初名を秀信、のちに芳之進。号銘に一斎、今松亭、白玉堂などがあり晩年には基仲と号した。

13歳で後藤東乗に師事し、後年,後藤一乗の門下となる。
それぞれの師から東明、一斎の名を許された。

作品は鐔,縁頭,目貫などで、そのほとんどに東明あるいは一斎東明と刻んでいる。
代表的作品に「粟穂図揃金具」がある。
粟穂の彫刻は,東明一流の特技といえ,画工林蘭雅との交際によってその下絵ができたものという。
たわわに実った粟穂を特殊鏨で精巧かつ写実的に表している。粟穂図を得意とし、粟穂図に関しては東明の独壇場といわれる。